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COLUMN

2026.10.13

vol.666「心揺さぶる【お土産の味】」

山際 直子(デザイン部)

先日、旅行に出かけていた家族からお土産をもらいました。

我が家では数年前から、「お土産は形に残る物ではなく、美味しく食べ切れるもの」というリクエスト制にしているのですが、今回のラインナップにあったのが「手焼きお煎餅」と「ゆず風味のクラフトコーラ(希釈タイプ)」でした。

このクラフトコーラが、私の中で大ヒットだったのです。

炭酸で割って飲むと、ゆずの爽やかな香りとスパイシーな風味が口いっぱいに広がり、すっかり魅了されてしまいました。

あまり普段はしないのですが、「これはお取り寄せしてみよう!」とネットで検索してみたところ……扱っているオンラインショップはごくわずかで、どこもすべてSOLD OUT。

季節の果物を使った限定生産のようで、すぐには手に入らないことが分かりました。

一瞬「残念だな」と思ったのですが、ふと我に返って考え直したのです。

「もしこれがネットで簡単に買えて、いつでも飲めるものだったら、私はここまで感動しただろうか?」

 ・家族が旅先で、自分のために選んでくれたというストーリー
 ・簡単には手に入らないという希少性
 ・カルピスなら何本も買えてしまうような、「旅先だからこそ許せるお土産価格」

日常の「安くて便利」から少し離れた場所にある、これらの理由こそが、このコーラを「感動的な美味しさ体験」にしてくれていたのだと気づきました。

スマホひとつで何でも手に入る時代だからこそ、「その土地に行かなければ出会えないもの」や「今しか味わえないもの」には、数字では測れない特別な魅力が宿るのだと感じます。

「便利で、いつでも手に入る良さ」も素敵ですが、時にはこうした「わざわざその場所へ足を運びたくなる仕掛けや想い」に触れることも、豊かな時間なのだなと改めて思いました。

ネットでの購入は諦めて、今、手元にある一瓶を大切に味わうことにします。

いつか自分がその土地を訪れたとき、現地でこのコーラに再会できる日を楽しみにしたいと思います。

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