COLUMN
2025.06.03
vol.601「パーパスがリクルートのカギ」
伊藤 貴生(CS課企画)
最近リクルート関係のご相談を受ける機会が多くなっているように感じます。「リクルート向けのパンフレットを作りたい」、「ホームページのリクルート情報を充実させたい」、「リクルート用の動画を作りたい」、「就職説明会で配るノベルティを作りたい」など、相談内容は様々です。
こうした相談に共通しているのは、「どんな情報を、どう伝えれば、学生に響くのか」というお悩みです。企業は自社の魅力を伝えようと工夫を重ねていますが、就活生が重視するポイントも年々変化してきています。
これまで多くの企業が新卒採用において重視してきたのが、「4つのP」と呼ばれる情報です。
Profession(業務内容)、
People(一緒に働く人々、社内の雰囲気)、
Philosophy(企業理念)、
Privilege(福利厚生・待遇)の4つです。
もちろんこれらは今も変わらず大切ですが、しかし近年、新たに注目されているのが第5のP、「Purpose(以下パーパス)」です。パーパスとは、「企業が存在する目的や社会に提供する価値」のことで、言い換えれば「この会社は何のためにあるのか」という存在意義を表す言葉です。
パーパスの重要性を早くから体現しているのが、ユニリーバやパタゴニアといった海外企業です。ユニリーバは「輝く毎日をすべての人に」をパーパスに掲げ、ビジネスを成長させながら地球の健康を取り戻して幸せな未来を創ることを訴えています。また、アウトドアメーカーであるパタゴニアは、「地球が私たちの唯一の株主」とパーパスを掲げて、環境保護を最優先とする経営を実践しています。こうした明確なパーパスは、志ある若者たちの共感を呼びます。
日本企業でも、パーパスを軸とした経営を進めている企業があります。その代表格がサントリーです。サントリーは、「水と生きる」という企業のパーパスを明確に掲げています。これは単なるスローガンではなく、水源保全活動や環境に配慮した製造プロセスなど、事業活動全体に深く根ざしたものです。皆さんも聞いたことがあると思います「水と生きる」という言葉。
働くことを「自己実現の手段」と捉える学生が増えています。稼げる、安定しているといった理由はもちろん大事ですが、現在それだけでは就活生の心は動かないかもしれません。
この会社で働くことが、社会の役に立つのか」「自分の仕事がどんな未来に繋がるのか」といった視点が、企業選びの新しい軸となっています。
この企業選びのわかりやすい指針の一つとなるのが「パーパス」です。ただ掲げるだけでなく、それを具体的な取り組みとして体現しているかどうかが問われています。