COLUMN
2025.07.09
vol.606「信頼のブランディング」
中尾 彩香(デザイン部)
初めて足を踏み入れた土地で、見慣れた看板を見かけると安心することがあります。
旅行なら、序盤は現地にしかない新しいものを求めて巡るのですが一泊終えてはしゃぎ疲れるころには、いつものコンビニでいつものコーヒーを買ってホッとしていたりすることも多いです。
昔、海外旅行中に宿泊先の食事が合わなかったためカタコトの言語力で通用しそうな店を探して歩き回ったことがありました。そのときに「セブンイレブン」と「スターバックス」の看板を見つけてとても安心したことを覚えています。
置いてあるメニューは日本とは少し違いましたが、店内の雰囲気や基本的な配置や雰囲気はどこも似ており、看板、店舗やパッケージのデザイン、ホットスナックの並ぶ場所、レジの仕様など、“いつもの感じ”が保たれていることで初めて入る店舗でも迷わず動けてストレスを感じにくいのだなと改めて実感しました。
セブンイレブンやスターバックスなど大手チェーンは長い歴史のなかでロゴマークをリデザインしていますが、雰囲気をガラリと一新するようなことはありません。
どちらかと言うと、ユニバーサル的な視点でのディティール変更が多いように感じます。普段はどうしても目新しさにばかり目を向けてしまいがちですが、芯がブレることなく「変化せず 進化させる」ことがブランディングデザインとしてもきっと大切なのだと思います。
ふだん何気なく使っているチェーン店も、ブランディングの視点から眺めてみると、新たな発見があるかもしれません。