Column

『vol.398「漫画と浮世絵」』

by 森山 良二 (デザイン部)

昨年10月に封切られて、数々の記録を塗り替えてきた人気漫画
『鬼滅の刃』の劇場版アニメを皆さんはご覧になりましたか?

私は映画くらいは見ようと思っていましたが、
混雑は避けたいのでほとぼりが冷めてから…と待っているうちに
今日まで見ずにきてしまいました。

その『鬼滅の刃』との関連性も指摘される
江戸末期~明治にかけて活躍した浮世絵師、
「月岡芳年(つきおかよしとし)」の展覧会が
新潟市の万代島美術館で開催されており、
早速観覧してきました。
(展覧会のタイトルは『芳年 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師』)

私が指摘するまでもなく、
漫画と浮世絵はほぼ直結というくらい
大きなつながりを持っていると思いますが、
特に月岡芳年は近年になって若者を中心に
再評価されています。

むしろ『鬼滅の刃』ありきの評価なのかもしれません。

もともと『鬼滅の刃』のストーリー自体が、
浮世絵でよく題材になる幽霊・妖怪などを描いた
「怪奇絵」と共通であること、
また月岡芳年が一時期手がけ、
それが特長ともされる残虐な流血場面を描いた
「血みどろ絵(無残絵とも)」的な表現がたびたび出てくる、
などの点からです。

実際『鬼滅の刃』の流血シーンなどを子供に見せてよいのか、
年齢制限が必要なのではという議論もありましたし、
この展覧会でも、刺激的な表現の絵の展示スペースには
その旨が掲示され、注意を促していました。

 

ただそのような作品はこの展覧会のあくまで一部であり、
その他の作品も十分な展示数があります。
構図・線描・デフォルメのしかたなどが、
いかに漫画に受け継がれているかがわかります。
実際アニメ化の際、浮世絵を意識した、
という制作スタッフの記事も読みました。

この展覧会は、漫画やアニメ云々ということを別にしてもとても見応えがあり、
じっくり見ると1時間やそこらでは足りないほどの作品数でした。

開催期間は5月5日までなのでまだ見られます。

『鬼滅の刃』ファンに限らず、ぜひ万代島美術館へ!

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