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COLUMN

2018.02.21

vol.250「尖ったデザイン」

伊藤 貴生(CS課企画)

連日平昌五輪の日本人選手の活躍が
様々なメディアで報じられています。

五輪に出られる選手はほんの一握りの選ば
れた人たちですが、そのバックボーンをよ
り知ると、やはり普通の人とは違って丸く
納まっていない尖った部分を持っている印
象を受けます。

そして人はその尖った部分を畏怖して、崇
拝するような傾向にある気がします。

人は元来、鋭角な細く尖った部分のあるモ
ノより、曲線を描く丸みを帯びたモノを好
む傾向にあると言われています。

鋭角な尖った部分のあるモノは脳内の恐怖
感を司る領域を刺激します。この傾向は地
球に人類が誕生してから、脅威検出の一形
態として発達し、人類の先祖たちが危険な
植物や動物や物体の存在を反射的に見抜く
のに役立ったと考えられています。

このバイアスを広告・デザインに当てはめ
て考えてみると、鋭角な図形を使ったデザ
インはユーザーが恐怖を感じてしまうと思
われるかもしれません。しかし逆に注目を
集めたい、関心を引き付けたい場面でとて
も効果的です。「なんじゃこりゃあ!」と
思われたほうが印象に残るわけです。

注意を喚起して関心を引き付けておきたい
ときは角ばったり尖ったカタチを使うとい
いでしょう。好ましい、優しい第一印象を
与えたいときは、緩やかな丸みを帯びたカ
タチを使うといいでしょう。

はじめは注目を浴びるために、尖ったデザ
インで勝負し、ファン・リピーターが増え
たらその層向けに柔らかいデザインで定着
を狙う…ような戦略も考えられます。

尖ったデザインも効果的に使っていきたい
ですね。

追伸.
尖ったモノの方が恐怖を与えるけど関心を
集められる…。所謂ネットでの炎上商法も
これに当たるのかもしれません。

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