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COLUMN

2017.03.17

vol.206 「そこにしかないもの」

山際 直子(グラフィック課)

ここ何年かで、御朱印集めがブームになっているようです。

御朱印とはお寺や神社の参拝の「あかし」としていただけるものです。
その内容は、お寺や神社の御宝印という判子、御本尊様の名前、
参拝日、お寺や神社の名前が墨で丁寧に書かれています。

私も数年前から御朱印集めをしています。
ブームに乗った訳ではないのですが、すっかり御朱印女子です。

御朱印は、寺社によって個性あふれる文字や判子があり、
美しいアートの一面も魅力ですが私が感じる御朱印の魅力は、
その「特別感」にあると思います。

自分の御朱印帳を神職様に差し出し、
そこに一筆一筆丁寧に文字を書いていただく間、
私は必ずその見事な筆遣いをしっかりと見届けます。

丁寧に押された判子の朱色が、
紙の上に鮮明に写っていることを確認し、
とても満足した気分になります。

それはこの場所に訪れて、参拝した私の為だけに与えられる、
世の中に一つだけの物なのです!

と、こんな風に気分が盛り上がる御朱印は
各地にある寺社に、自分の足で訪ねて、
やっと手に入るという点に価値があるのではないでしょうか。

このような御朱印も最近はネット上の売買が
行われているというニュースを見ました。

御朱印を転売用に何枚ももらいたがる人がいるそうです。
私には到底理解できません。
寺社ではそういった人たちに注意を促しているとのことでした。

現代では様々な物がネット通販ですぐに手に入ります。
しかし、実際の体験で得られるものの貴重さや、
自分の為だけの特別なものというのが、
より人の心に響くのではないでしょうか。

私たちが創るデザインや企画も、世の中に1つだけの
特別なものとして取り組んでいます。

それらが誰かに特別感を感じてもらえるもので
ありたいと思っています。

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