COLUMN
2025.06.20
vol.603「商品購入の決め手」
斉藤 隼(営業部)
先日、スキーグローブを購入しました。同じモデルで7色ものカラーバリエーションがあり、どれにするか随分悩みました。最終的に私が選んだのは、「気分が上がるかどうか」という、非常に個人的な感覚を基準にした色でした。もちろん、スキーウェアとの相性や、汚れの目立ちにくさ、落としたときの見つけやすさといった実用面も考慮しました。
でも正直に言えば、スキーグローブの色そのものはそれほど重要ではないのです。遠目には判別しづらいですし、他人の目を引くようなアイテムでもありません。それでも、「この色でスキーをしたら楽しそうだな」という気持ちが、最終的な決め手になりました。この「気分が上がるかどうか」という基準は、他の商品を選ぶときにも、意外と大きな影響を与えています。
たとえば、フライパンを選ぶとき。手入れのしやすさや軽さといった機能性は重要ですが、気分が上がるという理由で、あえて手入れが大変だったり、重かったりする商品を選ぶこともあります。
この経験から感じたのは、どれだけ機能的に優れた「良い商品」を作ったとしても、それが必ずしもユーザーにとっての“真のベネフィット”になるとは限らない、ということです。ユーザーが本当に求めているのは、機能性だけでなく、「その商品が自分にもたらす感情的な価値」なのかもしれません。